特別記事
アセスメントしない—ハウジングファーストとオープンダイアローグが看護に与えるインパクト
須賀 郁子
1
1学校法人 日本教育財団 首都医校
pp.138-144
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201111
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私は看護師の資格を持ち、看護専門学校で教員をしています。昨年の春、初めての病院実習をする学生が、「私たちは看護の視点から物事を見るのが難しい」と言いました。その学生は、指導者や教員の視点を「看護の視点」と表現し、その視点がない学生にはケアの立案が難しいと訴えたのです。
その発言を聞いて、私たち看護師は〈患者をアセスメントしながら問題点を抽出し、解決を目指して看護計画を立てる〉という看護過程を無意識に展開していると、あらためて気づいたのでした。基礎看護教育においては「看護過程」という名のもとで、未来の看護師たちが人間の反応を適切に評価できるようになる教育を施しており、私も教員の一人として「アセスメント」という言葉を日常的に使用しています。そして無意識に問題解決思考で物事に対応する癖が身についているのです。
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