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編集後記
H. M.
pp.1036
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205290
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巻頭言において「精神科リエゾンチーム加算」と「公認心理師法」,そして総合病院精神科の役割が取り上げられている。さらに本号の「研究と報告」,「資料」を見ても分かるように,近年,精神医療において患者・家族はもとより多職種の人々の視点の重要性を扱った論文が,本誌において非常に増えている印象がある。医療スタッフや医療施設の機能分化や専門化に伴う当然の変化と思われる。
医療の機能分野や多職種チーム医療をより早くから推進してきた英国の例を知ることは,わが国のこの領域の発展を考えていく上で重要な参考資料となる。英国では,一次医療全般を家庭医が担い,二次精神医療を危機介入,早期介入,訪問治療にそれぞれ特化した多職種チームが担い,三次精神医療を精神科急性期病棟と司法病棟が担っている。そうした英国において家族会活動が中心となって発展した慈善団体である“Rethink Mental Health”から2012年に“The abandoned illness”と題した統合失調症の回復促進のための42の提言が発表された。医療関係者に留まらず2,500名からの意見を集約したもので,代表者は英国の精神科医の重鎮であるMurray RM教授(ロンドン大学キングスカレッジ)である。
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