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研究と報告
刑法改正に関する私の意見 第2篇 不定期刑を中心として(その3)—前科・累犯・常習累犯の統計的考察
My Opinions on the Reform of the Criminal Law
田村 幸雄
Yukio Tamura
pp.99-104
発行日 1969年2月15日
Published Date 1969/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201436
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I.はじめに
近年,わが国では犯罪に関する統計資料が充実しつつある。以前は,警察庁の犯罪統計書のように生の犯罪統計資料が多かつたが,数年前より法務省総合研究所では毎年,犯罪白書を出し,犯罪や犯罪者処遇などに関する多くの問題を検討している。他方,警察庁も昭和39年より前述の犯罪統計書を「昭和○○年の犯罪」と改称し,その内容も生の統計資料のほかに,種々の問題をとりあげて検討するようになつた。
私は犯罪白書のまだ出ないころ,たしか,7〜8年前だつたと思う,犯罪統計書の資料をもちいて,多くの犯罪問題に考察を加え,東北精神衛生大会で発表したことがある。当時,私の目的は,単に統計的事実を述べるだけでなく,ちようど,連立方程式より根を求めるように多数の統計から犯罪の要因,すなわち,人間のもつ犯罪性,犯罪に対する環境の意義などを解明することにあつた。
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