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研究と報告
刑法改正に関する私の意見 第2篇 不定期刑を中心として(その4)—不定期刑
My Opinions on the Reform of the Law
田村 幸雄
Yukio Tamura
pp.197-201
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201453
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Ⅰ.科刑の原則
科刑の原則をつぎのように考えたらどうであろうか。(1)刑の量定は責任に応じて行ない,(2)実刑を科するかどうかは,刑の目的を考慮して定める。窃盗を例にとり説明しよう。
1)広義の責任については,前述のごとく,行為に関する責任と,行為者に関する責任とがある。窃盗についていえば,だれの物,どんな物,どれだけ,どんな方法で,盗んだか,また,社会にどんな影響を与えたかなど,多くの事項が行為の責任に関係している。行為者に関する責任では,非難可能性,広義の期待可能性が問題となり,責任能力,心身の状態,動機,心構え,素質,過去および現在の環境,初犯か前科者かなど,これまた,いろいろの事項がある。
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