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研究と報告
刑法改正に関する私の意見 第3篇 保安処分の諸問題(その3)—精神病質に対する刑法的対策
My Opinions on the Reform of the Criminal Laws
田村 幸雄
Yukio Tamura
pp.901-905
発行日 1969年11月15日
Published Date 1969/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201537
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I.はじめに
精神病質には精神医学だけでなく,刑法学や刑事学にとつてもやつかいな問題が多い。著者は,かつて,精神病質について,自己の見解を混えた総説的の書を書いたことがある1)。わが国でも最近「異常性格」2)という大書も現われたし,内外の文献も多い。それにもかかわらず,著者はいくつかの問題について論じてみたい念にかられているが,これは他日に期し,ここでは本論に関係のある注意すべき事項を要約して述べる。
(1)精神病質の概念や範囲,診断のつけかたは学派により個人によりいちじるしく異なるので,精神病質に関する統計はあまりあてにならない。多くの学者の統計を比較する場合,とくにその注意が必要である。
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