Japanese
English
特集 21世紀の心不全治療の展望
ガイドラインからみた慢性心不全治療の現況と将来への展望
Current Status and Perspective on Treatment of Chrollic Heart Failure
百村 伸一
1
Shinichi Momomura
1
1虎の門病院循環器センター内科
1Department of Cardiology, Cardiovascular Center, Toranomon Hospital
pp.981-988
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902542
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
近年,心不全の概念の変遷に伴い,その治療も大きく変貌した.従来の利尿薬,ジギタリスによる治療に加えて,1980年代後半からACE阻害薬を中心とするいわゆる神経内分泌阻害薬の心不全予後改善効果のエビデンスが次々と明らかにされ,現在ではこれらの薬剤が心不全薬物治療の主流をなしている.実地診療を行うものにとって数多くのエビデンスを日常診療にどのように生かしていくかは大問題であるが,エビデンスに基づいた診療を行ううえで地域ごとに一定のコンセンサスが必要であり,また全体の診療レベルの向上を図ることも必要である.このような点においてガイドラインはある程度の役割を果たすことが期待される.ただし,心不全治療においてガイドラインは絶対的なものではなく,また次々に新たなエビデンスが発表されると,それに応じた見直しも必要となる.
最近,わが国も含め各国で心不全治療のガイドラインが発表されている.ここでは主要なガイドラインを比較しながら解説していく.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.