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DRG/PPSの現況と将来展望
池田 俊也
1
Shunya IKEDA
1
1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
pp.455-461
発行日 2000年4月20日
Published Date 2000/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904076
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はじめに
医療費の高騰が大きな社会問題となり,抜本的な構造改革が避けられないとの認識が高まってすでに久しい,1997年8月には与党医療保険制度改革協議会が医療保険制度の抜本改革案として「21世紀の国民医療一良質な医療と皆保険制度への指針」(いわゆる与党協案)を取りまとめ,これをベースとして関係審議会などにおいて様々な議論がなされてきた.しかしながら,改革の4本の柱とされている医療提供体制,薬価制度,診療報酬体系,高齢者医療保険制度のいずれにおいても,現在のところ改革の具体的な姿は十分に定まっておらず,依然として先行き不透明な状況にある.
診療報酬体系の見直しに関する議論では,これまでの出来高払いを中心とした支払い制度から包括払いへの移行が検討されており,特に1980年代に米国で導入されたDRG/PPS (diagnosis relatedgroups/prospective payment system,疾病群別定額支払い制度)が注目を集めている.本支払い制度は与党協案や,医療保険福祉審議会制度企画部会の下部組織として設置された「診療報酬見直し作業委員会」の報告書(1999年1月)の中で言及されているだけでなく,すでに1998年11月より全国10の病院においてDRGに基づく定額支払方式の試行調査が開始された1).
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