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特集 21世紀の心不全治療の展望
心不全治療におけるβ遮断薬療法の今後の位置づけ
β-Blocker Therapy in Heart Failure
安村 良男
1
,
北風 政史
1
Yoshio Yasumura
1
,
Masafumi Kitakaze
1
1国立循環器病センター内科心臓部門
1Cardiology Division of Medicine, National Cardiovascular Center
pp.989-997
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902543
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βblockerの有効性のエビデンス
慢性心不全患者に対するβ遮断薬治療は,1973年にWaagsteinらが心拍数が上昇している59歳の心不全患者にpractololを投与し,劇的な臨床症状の改善をみたことに始まる.この観察をきっかけに,徐拍効果を期待して,一般の心不全患者にβ遮断薬が適用され,その有用性が徐々に認識されていった.
Waagsteinの最初の報告から約20年後の1996年に US carvedilol試験が発表され,その有効性が示されたが,この試験は死亡よりも安全性や有効性を確証することが評価の中心であった1).実際この試験では,安全性を期し,run-in期問が設けられている.しかし,carvedilolが軽〜中等症の慢性心不全患者の予後を改善することは疑いのないところであった.
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