Japanese
English
Current Opinion
急性心不全の治療―治療法の現況と将来の展望
Current Treatment for Acute Heart Failure
浅地 孝能
1
,
竹越 裏
1
Takayoshi Asaji
1
,
Noboru Takekoshi
1
1金沢医科大学循環器内科
1Department of Cardiology, Kanazawa Medical University
pp.591-595
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902305
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■急性心不全の治療をめぐる最近1年間の話題
最近の分子医学の急速な進歩に伴い,心臓病の各領域においてその診断や治療に著しい進展がみられる1〜3).本稿では急性心不全の治療をめぐる最近の話題を中心に全般的に述べる.
基礎研究の領域においては,急性心不全の発症機序や発症時の病態の解明とその対策が中心となっている.この1年間に分子生物学的研究は遺伝子学的レベルでも飛躍的に進展し,心不全急性期の複雑な病態を修飾している様々な神経体液因子の役割がより詳細に解明されるようになった.心不全急性期にはカテコラミン,レニン・アンジオテンシン,エンドセリン,ナトリウム利尿ペプチドファミリーなどをはじめ,一酸化窒素(nitricoxide:NO)およびサイトカインやケモカインなど非常に多くの活性化因子が出現し,全身もしくは局所的に作用する4〜6).
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