Japanese
English
特集 神経活性物質と呼吸
GABAとしゃっくり
GABA and Hiccups
大島 勉
1
,
土肥 修司
1
Tsutomu Oshima
1
,
Shuji Dohi
1
1岐阜大学医学部麻酔科蘇生科
1Department of Anesthesiology and Critical Care Medicine, Gifu University School of Medicine
pp.53-57
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902409
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はじめに
手術室で患者のしゃっくりの対応に難渋することはわれわれ麻酔科医にとって決して稀なことではない1〜3).全身麻酔の導入および維持において患者はしゃっくりをする.例えば,超短時間作用型バルビタールの使用は麻酔導入中のしゃっくりの原因とみなされてきた.バルビタールをはじめ,全身麻酔はgamma-aminobutyric acid(GABA)抑制系を賦活化することによってもたらされるというのが現在最も有力な全身麻酔薬の作用機序仮説である4).ならば,GABA抑制系を賦活化すれば,しゃっくりは起きやすくなるのか.しかし,同じGABAの関連薬の一つであるバクロフェンは,難治性のしゃっくりに最も有効な薬として知られている1).
本稿では,GABA受容体のサブタイプの作用から,GABAとしゃっくりの関係について考えてみることにした.
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