Japanese
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特集 神経活性物質と呼吸
孤束核ATP受容体と呼吸制御
ATP Receptors and Central Cardiorespiratory Control
加藤 総夫
1
Fusao Kato
1
1東京慈恵会医科大学神経生理学
1Laboratory of Neuro-physiology, Department of Neuroscience, The Jikei University School of Medicine
pp.43-51
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902408
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はじめに
あらゆる細胞におけるエネルギー供与分子であるATPが,細胞の外で神経活性物質として細胞間情報伝達を担うという驚くべき機構が明らかになったのはほんのこの数年のことである.多くのトップレベルの研究者の参入によってATP受容体の実体が解明されつつあるが,その生理学・病態生理学的な意義の解明は現在まだ進行中といってよい.そのなかで重要な役割を果たしつつあるのが孤束核をはじめとする中枢性呼吸・循環制御機構である.
本稿では,ATPとATP受容体を介した細胞間シグナリングに関する現在の知識をまとめ,孤束核など脳幹ネットワークにおけるその意義について解説する.
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