Japanese
English
Bedside Teaching
呼吸器疾患の身体障害者認定現状と問題点
Recognition of Pulmonary Disability in Japan
桂 秀樹
1
,
木田 厚瑞
1
Hideki Katsura
1
,
Kozui Kida
1
1東京都老人医療センター呼吸器科
1Pulmonary Division, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
pp.59-65
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902226
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はじめに
身体障害者の認定は「身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため,身体障害者を援助し,および必要に応じて保護し,もって身体障害者の福祉の増進をはかる」ことを目的としている.1950年に制定された身体障害者福祉法に基づき法律上の手続きが行われる.法律が制定された当初は,戦争による障害者の救済の意味合いが強く,障害認定疾患は肢体不自由,視覚障害,聴覚・言語障害にとどまっていた.1967年,呼吸器・心臓の機能障害などの内臓機能障害が「内部障害」として新たに認定疾患となり,現在,内部障害として以下の障害が含まれている:①心臓機能障害,②呼吸機能障害,③腎臓機能障害(1972年認定),④膀胱・直腸機能障害(1984年認定),⑤小腸機能障害(1986年認定),⑥ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害(1998年認定).呼吸機能障害者は1996年には7万5千人に達している1).しかし,その認定においては種々の問題点が指摘されている2,3).
本稿では,内部障害のうち呼吸機能障害に焦点をあて,その身体障害者認定の現状と問題点につき概説したい.
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