Japanese
English
Bedside Teaching
呼吸器疾患と身体障害認定―現状と将来の課題
Pulmonary Disease and Social Security: Present situation and future perspectives
塩谷 隆信
1
,
佐竹 將宏
1
,
高橋 仁美
2
Takanobu Shioya
1
,
Masahiro Satake
1
,
Hitomi Takahashi
2
1秋田大学医学部保健学科理学療法学専攻
2市立秋田総合病院リハビリテーション科
1Department of Physical Therapy, Akita University School of Health Sciences
2Department of Rehabilitation, Akita City General Hospital
pp.861-868
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100441
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はじめに
身体障害者の認定は「身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため,身体障害者を援助し,必要に応じて保護し,身体障害者の福祉の増進を図る」ことを目的としている.1950年(昭和25年)に制定された身体障害者福祉法(身障法)1)に基づき法律上の手続きが行われる.法律が制定された当初は,傷痍軍人救済の意味合いが強く,障害認定疾患は肢体不自由,視覚障害,聴覚・言語障害にとどまっていた2,3).
1967年,呼吸器・心臓機能障害などの内臓機能障害が「内部障害」として新たに認定疾患となった.現在,内部障害としては以下の障害が含まれている;①心臓機能障害,②呼吸器機能障害,③腎臓機能障害(1972年認定),④膀胱・直腸機能障害(1984年認定),⑤小腸機能障害(1986年認定),⑥ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害(1988年認定).このなかで呼吸器機能障害者は年々増加し,2001年には8万9千人に達している3).
さらに,2006年4月からは身体障害者福祉法,知的障害者福祉法,精神保健福祉法,児童福祉法が「障害者自立支援法」4)として一元化され,今後,身障法に関しては新たな展開が予想される.身体障害の認定においては,現在,種々の問題点が指摘されており将来の課題が指摘されている5).このような現況に鑑み,本稿では,呼吸器疾患の身体障害者認定の現状と将来の課題について概説する.
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