Japanese
English
綜説
閉塞性肥大型心筋症の治療
Treatment of Hypertrophic Obstructive Cardiomyopathy:Overview
堀本 和志
1
,
川上 義和
2
Masashi Horimoto
1
,
Yoshikazu Kawakami
2
1国立札幌病院循環器科
2北海道大学医学部第一内科
1Division of Cardiology, Sapporo National Hospital
2The First Department of Internal Medicine, School of Medicine, Hokkaido University
pp.55-64
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902028
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
閉塞性肥大型心筋症(HOCM)の治療目標には,左室流出路圧較差軽減による自他覚所見の改善のほかに,左室拡張能の改善,左室肥大の進行予防,不整脈を含めた突然死の予防があるが,本稿では主に左室流出路圧較差の軽減に焦点を当てて論じる.
HOCMの治療法として,これまで内科的にはβ遮断薬やCa拮抗薬の投与が,外科的には心室中隔心筋切除術や僧帽弁置換術(MVR)があった.しかし近年,disopyramideやcibenzolineによる治療,房室ペーシングあるいは経皮経管的中隔心筋焼灼術(PTSMA)が報告されている.われわれは,内科的薬物治療抵抗性の高齢者HOCM例に中隔心筋切除術とMVRを同時に施行し,左室流出路圧較差の消失と症状および運動耐容能の改善をみた経験から1),HOCM治療の概要について述べる.表1に各種治療法による左室流出路圧較差の変化を記した.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.