増刊号 Common Disease 200の治療戦略
循環器疾患
肥大型心筋症
住田 英二
1
,
梶山 公則
1
,
古賀 義則
1
1久留米大学医学部第3内科
pp.59-62
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903985
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疾患概念と病態
1.病因
肥大型心筋症の約半数には家族性がみられ常染色体優性遺伝様式を示すが,その約20%は心筋βミオシン重鎖遺伝子の点変異が存在することが明らかにされ,その後裂トロポミオシン,トロポニンT遺伝子異常が発見されている1).肥大型心筋症はこのような収縮蛋白に異常を有するサルコメア病であることが推測されているが,残りの過半数の原因遺伝子はいまだ不明である.心尖部肥大型心筋症に代表される明らかな家族性のみられない孤発例では,中年以降の発症が多く,異常肥大の発現には高血圧,スポーツ,肉体労働などの後天的因子や環境要因の関与が考えられている.
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