Japanese
English
Bedside Teaching
抗結核薬の副作用と対策
Adverse Reactions of the Anti-tuberculosis Drugs and the Management
和田 雅子
1
Masako Wada
1
1結核予防会結核研究所疫学研究部
1Department of Applied Research, The Research Institute of Tuberculosis, Japan Anti-Tuberculosis Association
pp.65-70
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902029
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
肺結核症は化学療法が確立されるまでは外科療法の対象であったが,化学療法の進歩により化学療法のみで治癒できる疾患となったが治療期間は18ヵ月も要した.しかし,強力な抗結核薬の発見と治療法の進歩により,結核は短期間で治癒できる疾患となったが,現在でも最低6ヵ月の治療が必要である.
治療期間が長いばかりではなく,多剤併用が原則である結核治療においては,副作用の頻度も高いので結核治療を成功させるために副作用の対策は重要である.副作用を早く発見し,対処するためには薬物の代謝や排泄についての知識を持つことが重要である.また日本では結核患者の高齢化に伴い,合併症を有する患者が増えており,薬物の相互反応も考慮しながら結核治療を進めなければならないので,薬物の相互反応についての知識も必要である.
抗結核薬の副作用は多剤併用しているために原因薬剤を特定することが困難な場合が多いが,以下に個々の薬剤について副作用とその対応について述べたい.現在使用できる抗結核薬は10種類しかなく,また二次薬の効果は弱く,副作用が多いために使いにくいので,一次薬にアレルギー症状が出た場合にはすぐに諦めるのではなく減感作療法を試みるべきであるので,減感作療法についても述べる.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.