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Bedside Teaching
Pulmonary lymphangioleiomyomatosis(LAM)の治療
Treatment of Pulmonary Lymphangioleiomyomatosis (LAM)
檀原 高
1
Takashi Dambara
1
1順天堂大学医学部呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Juntendo University School of Medicine
pp.579-584
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901708
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疾患概念
過誤腫性肺脈管筋腫症(pulmonary lymphan—gioleiomyomatosis:LAM)は主に妊娠可能な時期の女性にみられる比較的稀な疾患である.原因は不明であるが,平滑筋が末梢気道,リンパ管,肺血管に増殖することが主たる病態である.肺胞壁にも病変が存在し,間質の変化,肺胞破壊も加わるとされる.その結果,気道閉塞,air trap—ping,リンパ管閉塞・損傷,肺の血液うっ滞を来すことから,気腫性変化,肺嚢胞形成,間質の線維化,肺胞破壊,気胸,乳び胸腹水,肺胞出血を来す,これらの複雑な病変が閉塞性換気障害,拘束性換気障害,両者の合わさった混合性換気障害を来す(図1)1〜7).平滑筋の増殖形式に関しては,hamartomatous, hyperplastic, neoplasticとの見解があるが6),本邦ではhamartomatousな増殖との考えが主流を占めている2).
臨床的には,肺そのものの病変,胸水,腹水,血痰・喀血による種々の程度の呼吸困難が特徴的で,その他に腎血管筋脂肪腫,結節性硬化症,子宮筋腫の合併に注意を要する1,5,8,9).予後を規定する最も重要な因子は,呼吸器障害である1〜7).長期生存例が散見されるが,予後は症状出現から長くても10年程度とする報告が多い1,3,6).
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