Bedside Teaching
Pulmonary Sequestration
正岡 昭
1
Akira Masaoka
1
11st Dept. of Surgery, Osaka Univ. Medical School
pp.239-244
発行日 1975年3月15日
Published Date 1975/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202735
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Sequestrationとは分離(separation)を意味する語であり,正常肺と分離して存在する異常肺組織に対して,1946年Pryceが命名した。本邦では肺分画症,もしくは肺分離症と名づけられている。分離の形式には2種類があり,1つは正常肺と共通の肋膜により被包されるもので,intralobar pulmonary sequestration,他の1つは正常肺とへだたった場所に存在するもので,extralobar pulmonary sequestrationと呼ばれる。後者は,1861年にRokitansky, Rektorzikによりaccessorische Lungenlappen, Nebenlungeの名称によって記載され,ほかにlower accessory lobe, ectopic lobeなどの名称で呼ばれてきたものであり,本邦では副肺,副肺葉などの名が与えられていた。従って認識の歴史はintralobar pulmonary sequestrationよりも古いが正常肺と分離されている点では同じであり,かつ発生機転も共通であるとしてPryceがpulmonary sequestrationとして統一した。
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