Japanese
English
解説
CWVと呼吸困難感
CWV and Dyspnea
本間 生夫
1
,
金丸 新
1
,
渋谷 まさと
1
Ikuo Homma
1
,
Arata Kanamaru
1
,
Masato Sibuya
1
1昭和大学医学部第二生理学
1Second Department of Physiology, Showa University School of Medicine
pp.349-355
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901035
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「空気の不足した感じ」「胸に対する負荷感」など,呼吸に関する不快感を呼吸困難感と総称し,慢性呼吸器疾患や虚血性心疾患など多くの疾患の患者でもっとも苦痛な訴えとなっている.呼吸困難感の発生メカニズムに関しては多くの説が提唱されてきたが,大きくmotor commandによるものか,種々の末梢からの感覚性入力によるものかに分けられる.しかし,そのうちの1つで呼吸困難感発生メカニズムを完全に説明できるものではなく,呼吸困難感が,呼吸に関する不快感を総称しているだけに,様々な機構が呼吸困難感にかかわっていることは確かである.そのなかの1つに呼吸筋内受容器の求心性活動によるものがある.呼吸筋内には呼吸筋の収縮,伸展を感受する受容器,あるいは呼吸筋にかかる張力を感受する受容器など機械的受容器がある.これら受容器は呼吸運動の調節にかかわるとともに呼吸運動感覚にも関与する.機械的受容器の1つである筋紡錘は細かい伸展,すなわち振動刺激によく反応する性質があり,ここから呼吸困難感と胸壁振動刺激(chest wall vibration, CWV)の研究が進められてきた.また最近では慢性閉塞性呼吸器疾患患者を含めCWVが呼吸困難感を弱めるという仕事がでてきており,ここで現在までの研究をまとめ,生理機能と呼吸困難感に対する振動刺激の特性を概説する.
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