Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1959年,Prinzmetal1)らにより提唱された異型狭心症は,我国において,西村2)(1960)の報告につづき,すでに200例以上になる6)。しかし,本症の定義や概念等が各研究者間で,かならずしも完全に一致をみているわけではない。そこで,著者らは狭心発作中の心電図で,ST segmentの偏位が主に上昇するか低下するかによりa〜hの8群に整理した(表1)。ここで論ずる症例はいずれも発作時心電図,酵素値の変動,冠動脈造影所見等の正確なデータを有するもので,表1におけるa群とb群とに限定した。
本稿では以下を除外した。(1)表1のc群およびd群のように労作時に主にST上昇を示すもの,(2)すでに心筋硬塞に陥ったものに狭心発作が生じ,心電図で硬塞面の誘導でST上昇をみるの,(3)経過を検討する間もなく,入院直後よりいきなり心筋硬塞に陥いったもの,(4)明らかに心筋硬塞の初期の段階としてST上昇をきたしたもの,(5)心膜炎等の非虚血性心疾患等によりST偏位を認めたもの等は研究対象より除いた。以上の如き条件で表1のa群とb群は35例となり,11例に外科療法を施行した。その結果,本症の発作の成因を示唆するような興味ある知見を得たので報告する。
Thirty five patients of typical Prinzmetal's variant angina were studied by the coronary cineangiography.
Among nineteen patients, there were no demonstrable stenosis of the major coronary artery.
Nine patients with a single coronary stenosis underwent the aorto-coronary bypass operation with the recurrence of the symptoms postoperatively.
Complete cessation of the symptoms were seen among medical and surgical patients by Nifedipine.
Pathophysiology of variant angina remains obscure.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.