Japanese
English
特集 慢性心不全の考え方
慢性心不全における神経体液性調節
Neurohumoral Regulation in Chronic Heart Failure
堀 正二
1
,
坂田 泰史
1
,
尾崎 仁
1
,
鎌田 武信
1
Masatsugu Hori
1
,
Yasushi Sakata
1
,
Hitoshi Ozaki
1
,
Takenobu Kamada
1
1大阪大学医学部第一内科
1First Department of Medicine, Osaka University School of Medicine
pp.641-647
発行日 1994年7月15日
Published Date 1994/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900890
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はじめに
循環調節に関与する神経体液性因子は,心拍数増加,心収縮性増加,血管平滑筋収縮あるいは水貯留作用を発揮する心血管緊張因子と心機能抑制,血管平滑筋弛緩あるいは利尿作用を発揮する心血管抑制因子に大別できる.心血管緊張因子には,交感神経,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAS),アルギニンバソプレッシン(AVP),エンドセリン(ET)などがあり,抑制因子には副交感神経,心房性Na利尿ペプチド(ANP),内皮依存性血管拡張因子(EDRF),プロスタグランジン(PG),カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)などがある.慢性心不全では,一般的に緊張因子が亢進し心不全の重要な代償機序とみなされている.しかし,長期的には緊張因子は心筋不全を進展させる可能性が指摘されている.
本稿では,慢性心不全におけるおもな神経体液性因子の変化とその意義について概説する.
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