特集 呼吸生理の諸問題
呼吸の神経性調節—呼吸調節の体液性因子の呼吸性神経活動に及ぼす影響
福原 武彦
1
1東京慈恵会医科大学第2薬理学
pp.7-10
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203488
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本シンポジウムの第2セッションでは呼吸調節系の種種のレベルにおける呼吸性神経活動に及ぼす呼吸調節の体液性因子の影響について検討を加えた6演題(内2題は指定討論)が発表された。いうまでもなく神経性および化学的調節は呼吸調節の過程で常に相伴っておこる。したがって神経性調節と化学的調節機転の連関を明らかにすることは呼吸調節のメカニズムの理解のために欠くことのできない重要な知見となる。呼吸生理の領域における研究課題は広汎多岐にわたり,神経性および,化学的調節それぞれに関する多数の研究がある。これまでの呼吸生理の領域の研究では体液性調節因子の神経活動に及ぼす影響に関する研究も少数ながら報告されてきた。しかし,これらの大部分のものが主に定性的観察に止まっていたことは否めない。このセッションでの研究発表の大部分で化学的調節因子の神経活動に及ぼす影響の定量的解析が試みられていたことは特に注目される。
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