Japanese
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解説
検者内および検者間のReliability(再現性,信頼性)の検討—なぜ統計学的有意が得られないのか
Evaluation of Intra- and Inter-Observer Reliability
桑原 洋一
1
,
斉藤 俊弘
1
,
稲垣 義明
1
Yoichi Kuwabara
1
,
Toshihiro Saito
1
,
Yoshiaki Inagaki
1
1千葉大学医学部第三内科
1The Third Department of Internal Medicine, School of Medicine, University of Chiba
pp.945-952
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900745
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はじめに
血圧測定,超音波による左室壁厚測定,コンピュータ解析による冠動脈狭窄率の測定,問診によるタイプA型性格の評価など,何かを測定する時に測定誤差は避けられない問題であり,測定誤差がどの程度あるかの評価を行うことが新しい測定法,判定法の開発そして,その測定結果を使った研究には特に重要となる.測定値を群間で比較したり2つの因子間の相関をとった場合に,回帰係数(b)や,平均値の差などが十分大きく,臨床的,科学的にみて十分有意であると考えられるのに,検定をした場合に有意差が得られないこともしばしば経験する.これは,有意差検定が平均の差や相関の強さに加えて,例数(n)と測定値のばらつき(分散)にも左右されるためである.したがって,例数を増やせない場合にはこのばらつきが有意差検定の鍵を握ることになり,測定誤差,検者間の不一致の要素の影響力を値踏みする検討(Reliability study)が必要となる.
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