Japanese
English
解説
好酸球—肺組織への浸潤と末梢血での増多
Eosinophils : Eosinophil's infiltrations into the lung tissue and increases in peripheral blood
土肥 勇
1
,
棟方 充
1
,
川上 義和
1
Isamu Doi
1
,
Mitsuru Munakata
1
,
Yoshikazu Kawakami
1
1北海道大学医学部第一内科
1First Department of Medicine, School of Medicine, Hokkaido University
pp.953-959
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900746
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はじめに
好酸球は19世紀末頃に見出され,寄生虫疾患,アレルギー疾患で血液中に増加することは当時から知られていた1).多様な疾患に深く関わっている好酸球は,それがゆえに免疫調節のなかでも重要な役割を果たしていると考えられており,好酸球を取り巻くサイトカインに関する研究は数多く現在も精力的に進められている.臨床では様々な疾患で好酸球の局所的増加,全身的増加を来すが,肺疾患では,気管支喘息における気管・気管支への浸潤や,好酸球性肺炎での末梢気道への浸出・浸潤がよく知られている.また,肺疾患に限らず,ときに悪性腫瘍の出現とともに増加することがある.また,好酸球はそれ自体組織障害性の強い顆粒をもっており,寄生虫などには直接攻撃細胞として働く.
ここでは多彩な好酸球浸潤の機構を最近明らかとなってきたサイトカインの知見を含めて述べ,好酸球関連肺疾患について解説する.
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