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解説
医学研究における疫学,統計学的考え方(その1)—統計学的有意と相関
Epidemiology and Biostatistics in Medical Research, vol 1
桑原 洋一
1
,
斉藤 俊弘
1
,
稲垣 義明
1
Yoichi Kuwabara
1
,
Toshihiro Saito
1
,
Yoshiaki Inagaki
1
1千葉大学医学部第三内科
1The Third Department of Internal Medicine, School of Medicine, Univercity of Chiba
pp.1189-1196
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900388
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はじめに
疫学(Epidemiology)という概念はEpidemicという言葉の示す通り,疾患の出現状況や分布を調べる学問と定義されるが,疾患の原因や経過を探る分野における方法論として,統計学の進歩とあいまって近年著しい発展を見ている.仮説を証明するには,どのような対象からデータをとり,どのような統計処理をすればよいのかという問題は,医学研究者にとってとても重要なことであり,また臨床家としても,研究結果に対してクリティカルな見方をすることによって,氾濫する情報の中から信頼性の高いものを取捨選択する指標となる.欧米では研究費を請求する時点において厳格な研究計画が要求されるためもあり疫学および統計学手法が発展しており,大学院レベルで研究および教育がなされている.
今回より4回にわたり,医学研究を行う上または医学論文を読む上で重要と思われる疫学的および統計学的考え方を下記のごとく選んで説明する.現在では,コンピュータおよび統計ソフトウエアの普及により,実際にデータから公式を使って統計処理を行う必要はあまりなくなっている.したがって,特殊な場合を除き具体的な計算方法は成書に譲り,データの種類によってどの方法を選択すべきか,および計算の結果得られるパラメータの意義と解釈を中心に解説する.
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