Japanese
English
Bedside Teaching
心房細動のレートコントロール
Control of the Ventricular Rate in Atrial Fibrillation
村山 正博
1
Masahiro Murayama
1
1聖マリアンナ医科大学第二内科
1Department of Internal Medicine Ⅱ, St. Marianna University School of Medicine
pp.741-746
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900712
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はじめに
心房細動(atrial fibrillation,以下afと略す)は日常臨床において期外収縮についで遭遇することの多い不整脈である.これは疫学調査における一般人口においてもある程度みられ,Tecumseh study(1965)1)では0.43%に認められると報告されている.心疾患患者における頻度はそれよりはるかに高く,ちょっと古いstudyであるがKatz and Pickの教科書(1956)2)では発作性afは3.1%,固定性afは8.6%にもみられたという.
このようなaf患者を診た時の治療方針の立て方は,まずafを洞リズムに戻すかどうかの判断を行い,ついで戻すのであればその方法の選択,固定化させるのであればレートコントロールの方法の決定という手順となる.この手順はaf患者が初診であるか,慢性的にafの経過がわかっている患者いずれであるかによってある程度決まってくる.前者において病歴が不明の場合には除細動を優先して考えるべきであるが,除細動の適応がないと考えられるものとして,①年単位に近い長期間,afが固定しているもの,②除細動が一時的に成功してもすぐafに戻ってしまう病歴のあるもの,③長期間のaf病歴がなくても,高度な僧帽弁狭窄のため著明な左房拡大があり,af固定のほうが管理しやすいと考えられるもの,④高齢者に多い徐脈型や完全房室ブロックを伴うものなどが挙げられる.
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