Japanese
English
特集 Non Q心筋梗塞の病態
画像診断
Diagnostic Imaging of Non Q Myocardial Infarction
増田 善昭
1
,
今関 安雄
1
,
庭山 博行
1
Yoshiaki Masuda
1
,
Yasuo Imazeki
1
,
Hiroyuki Niwayama
1
1千葉大学医学部第3内科
1The Third Department of Internal Medicine, School of Medicine, University of Chiba
pp.645-651
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900500
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はじめに
胸痛をもって発症し,心電図にQ波が出現しないが,ST,T波の変化があり,経時的にこれが回復し,かつ,血清CK,GOT,LDH等の酵素上昇のみられる病態は一般にNon Q心筋梗塞といわれ,臨床的に心内膜下梗塞,非貫壁性梗塞とほぼ同じ意味に使われる.しかし,これらの病態はまだ十分に明らかにされていず,心筋のどの範囲まで梗塞があればQ波が出現しないのか,どのくらいの大きさまでの梗塞が心電図や血清酵素変化として認められるのかなど種々の問題が提起されている.
画像診断の面からみれば,貫壁性梗塞については201Tl心筋シンチ,超音波法,左室造影の診断的価値はすでに定着しており,その部位,範囲,運動障害,Viabilityの評価にこれらの方法は欠かすことはできないのが現状である.最近ではさらに造影CT,MRI,ポジトロンCT等新しい方法が次々に応用され,梗塞のより詳細な形態変化,梗塞時期の判定,心筋代謝の診断等に役立っている.しかし,Non Q梗塞に関してはこれら画像診断の有用性はほとんど知られていない状態である.その理由として,貫壁性梗塞と違い病巣の部位や範囲に関してのgolden standardがはっきりしないこと,冠動脈病変との対応が明らかでないこと,病理所見との対比が得にくいことが挙げられる.
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