Japanese
English
特集 Non Q心筋梗塞の病態
Q波非形成心筋梗塞症の心電図変化と病態
Electrocardiographic and Clinical Characteristics of Non-Q Myocardial Infarction
柴田 雅士
1
,
深見 健一
1
,
平盛 勝彦
1
Masashi Shibata
1
,
Ken'ichi Fukami
1
,
Katsuhiko Hiramori
1
1岩手医科大学第2内科
1Department of Internal MedicineⅡ, Iwate Medical University School of Medicine
pp.639-644
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900499
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
心室壁の中で,心筋の心内膜側は虚血に陥りやすい部位である.このため病理学的に心内膜下に限局した壊死巣を生じることが多く,古くから心内膜下梗塞(subendocardial infarction)という病名が用いられている.また,心電図上,異常Q波が出現しないことから,貫壁性梗塞(transmural infarction)に対して,非貫壁性梗塞(non-transmural infarction)の病名を用いることがある.しかし,心電図所見と病理組織学上の壊死巣の広がり方に不一致が大きいことも知られている.心内膜下梗塞も非貫壁性梗塞も病理学的な診断であり,臨床的には,1983年にSpodick1),Kroneら2))が提唱した異常Q波のない心筋梗塞症(non-Qwave myocardial infarction:N-QMI)と呼ぶのが適当と考える.本稿ではN-QMIにおける心電図変化の特徴を自験例の検討をもとに述べる.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.