Japanese
English
特集 肥満と呼吸
肥満と肺循環
Obesity and pulmonary circulation
栗山 喬之
1
,
増山 茂
1
,
国友 史雄
1
Takayuki Kuriyama
1
,
Shigeru Masuyama
1
,
Fumio Kunitomo
1
1千葉大学医学部呼吸器内科
1Department of Chest Medicine, Institute of Pulmonary Cancer Research School of Medicine, Chiba University
pp.421-426
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900137
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はじめに
肥満は循環系にさまざまな影響を与えている。とくに左心系には圧負荷,容量負荷を介して大きな影響を及ぼしている。肥満に伴うことの多い高血圧症や冠動脈疾患が左心機能にどのように影響を及ぼすかについては多くの研究が積み重ねられているが,肥満が右心系に与える影響についてはいまだはっきりした定説がない。Pick-wick症候群に代表されるように,肥満患者の一部には右心不全を伴うものが確かに存在するが,その原因が肥満そのものにあるのか,もしそうだとしても肥満のいかなる要因が右心系に影響を与えているのかは議論の余地があるところである。ここではまず肥満と体循環系の関連を概観し,次に肥満と肺循環とに関する最近の研究の成果を取り上げる。
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