Japanese
English
特集 肺血栓・塞栓症—最近の動き
血行動熊—体および肺循環と肺ガス交換
Pulmonary and systernic hemodynamic changes and gas exchange in thromboembolic pulmonar vascular disease
喜屋武 邦雄
1
,
栗山 喬之
1
Kunio Kiyatake
1
,
Takayuki Kuriyama
1
1千葉大学医学部付属肺癌研究施設内科
1Department of Chest Medicine, Institute of Pulmonary Cancer Research, School of Medicine, University of Chiba
pp.949-952
発行日 1989年9月15日
Published Date 1989/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205537
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はじめに
肺の機能血管である肺動脈が血栓塞栓子により閉塞する疾患を肺血栓塞栓症という。
肺血栓塞栓症は,従来,欧米に多く本邦には少ないとされていたが,最近,生活水準の欧米化に伴い,その発症頻度は増加しており,注目を集めるようになってきた1,2)。しかし,本症の病態が,巨大な血栓塞栓により一瞬に広範な肺虚脱・右心不全を呈し急死するものから,自覚症状もなく慢性に経過するものまで複雑多岐にわたっているため,いまだ本症に対する理解が不足していると思われる。本症の診断や治療に関しては他の著者に任せるとして,本章では,急性肺血栓塞栓症と慢性肺血栓塞栓症に分けて,特に血行動態の面から述べるとともに,最近筆者らが経験した慢性肺血栓塞栓症に対する手術療法の成績についても言及したい。
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