Japanese
English
特集 肥満と呼吸
肥満と術後肺障害
Obesity and postoperative pulmonary complications
西脇 公俊
1
,
木村 智政
1
,
島田 康弘
1
Kimitoshi Nishiwaki
1
,
Tomomasa Kimura
1
,
Yasuhiro Shimada
1
1名古屋大学医学部麻酔学講座
1Department of Anesthesiology, Nagoya University School of Medicine
pp.427-430
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900138
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肥満は慢性的病的状態であり,肥満にかかわる種々の病的変化や合併症を持ち,罹病率・死亡率が高いことはよく知られている。しかし手術におけるリスクファクターとしては,それほど明確なデータはないようである。肥満の程度には標準体重よりも20%重い軽度肥満から,100%以上重い病的肥満まで幅がある。病的肥満については,独特の問題があり論文も多数報告されているが,我が国においては,欧米でみられるような高度肥満は極めてまれである。また軽度から中等度肥満患者におけるリスクの程度については,あまり正確な評価はなされていない。体重が多いことそれ自体が手術の禁忌となることはないが,肥満による呼吸,循環,代謝,凝固線溶機能などの異常は,術後の罹病率や死亡率に深くかかわっているようである。本稿では,肥満患者の術後肺障害にかかわる病態生理学上の問題点について術前,術中も含めて述べる。
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