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特集 Onco-Cardiology—がんと循環器における新しい関係
がん化学療法における心筋障害の病態と対策—アントラサイクリン心筋症など
Pathophysiology and Management of Chemotherapy-Related Cardiac Dysfunction
青野 真弓
1
,
實川 東洋
1
,
福田 恵子
1
,
清野 精彦
2
Mayumi Aono
1
,
Toyo Jitsukawa
1
,
Keiko Fukuda
1
,
Yoshihiko Seino
2
1日本医科大学千葉北総病院薬剤部
2日本医科大学千葉北総病院循環器内科
1Department of Pharmacy, Nippon Medical School Chiba Hokusoh Hospital
2Department of Cardiovascular Medicine, Nippon Medical School Chiba Hokusoh Hospital
pp.849-857
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206024
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はじめに
外科治療,がん化学療法,放射線療法,緩和医療などの発展・充実に伴い,担がん患者の生命予後,QOLは改善している.しかし,加速度的な高齢化社会において高血圧,虚血性心疾患,心不全,不整脈などの循環器疾患を併存した担がん患者は数多く,かかる症例では抗がん剤による心毒性発症リスクが上昇する.がん化学療法に合併する副作用,特に心毒性の予知・予防と治療の問題が度々指摘されており,がん診療医,薬剤師,循環器医,看護師などが連携して「安全で質の高い治療」の構築に取り組むことが重要である.本稿ではCTRCD(Chemotherapy Related Cardiac Dysfunction)の概念1〜3)をもとに,アントラサイクリン系抗がん剤や分子標的薬トラスツズマブによる心毒性の病態と管理について概説する.
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