連載 症例で学ぶ非結核性抗酸菌症・2
肺MAC症の治療について①
朝倉 崇德
1
,
長谷川 直樹
2
,
小川 賢二
3
,
中川 拓
3
,
高崎 仁
4
,
森野 英里子
4
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
2慶應義塾大学医学部感染制御センター
3国立病院機構東名古屋病院呼吸器内科
4国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
pp.173-176
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205905
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症例：60代・女性
現病歴：X−3年に健診の胸部X線で異常陰影を指摘され，呼吸器内科を受診した．胸部CTでは中葉舌区を中心に粒状影，軽度の気管支拡張がみられたが，自覚症状はなく経過観察とされた(図)．経過観察中のX−2年，X−1年の喀痰培養で計2回MACが陽性となり，肺MAC症と診断された．症状はなく胸部X線画像での変化も乏しかったため半年毎の受診とされた．半年ぶりの受診時に，X−3カ月頃より，咳・痰の頻度が徐々に増悪し，2kgの体重減少があり，同日撮影した胸部X線・CT上も増悪がみられた(図)．身体所見・採血所見は特に異常はみられなかった．
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