連載 症例で学ぶ非結核性抗酸菌症・8
肺MAC症と緑膿菌の混合感染について
朝倉 崇徳
1
,
森本 耕三
2
,
森野 英里子
3
,
中川 拓
4
,
長谷川 直樹
5
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
2公益財団法人結核予防会複十字病院呼吸器センター
3国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
4国立病院機構東名古屋病院呼吸器内科
5慶應義塾大学医学部感染制御センター
pp.1009-1014
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206049
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症例①:73歳,女性.
現病歴:20年前に肺Mycobacterium avium complex(MAC)症と診断され,エタンブトール(EB)500mg,リファンピシン(RFP)450mg,クラリスロマイシン(CAM)800mgで治療を開始した.16年前に一度治療を終了したが,終了後も時折,喀痰からMACが検出されていた.14年前に症状増悪に伴い,同治療を再開したところ,12年前からMACの検出はなくなり,以降緑膿菌のみを持続的に検出するようになった.8年前,7年前,3年前,1年前に呼吸困難の増悪,血痰,画像の悪化があり,緑膿菌の治療として入院の上セフタジジム(CAZ)4g,アミカシン(AMK)15mg/kg点滴静注とエリスロマイシン(EM)800mg内服を行った.治療により自覚症状・呼吸状態は一時的に改善したが,徐々に呼吸状態は悪化していた.今回,再び呼吸困難の増悪・血痰があり,除菌目的に入院した(図1).
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