連載 症例で学ぶ非結核性抗酸菌症・7
肺M. kansasii症の治療戦略
鈴木 翔二
1
,
長谷川 直樹
2
,
森本 耕三
3
,
中川 拓
4
,
森野 英里子
5
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
2慶應義塾大学医学部感染制御センター
3公益財団法人結核予防会複十字病院呼吸器センター
4国立病院機構東名古屋病院呼吸器内科
5国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
pp.912-916
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206032
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【症例1:結核に類似する肺M. kansasii症】
症例(図1):39歳男性.
現病歴:X−1年8月の健診で胸部異常陰影を指摘され,当院を受診した.胸部CTでは右S1の肺尖部に空洞病変を認め,血液検査ではクオンティフェロン(QFT)®が陽性(TB antigen 2.49IU/ml)であり肺結核を疑った.喀痰検査・胃液検査は培養陰性であり,気管支鏡検査を実施した.気管支洗浄液からMycobacterium kansasii(M. kansasii)が検出され,肺M. kansasii症と診断されたが,無症状であったため,治療を開始せずに外来にて経過観察とされた.X年11月の外来受診時も特に自他覚症状を認めなかったがCTでは右肺尖部の陰影が増悪していた.
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