Japanese
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特集 肥大型心筋症の基礎と臨床
肥大型心筋症の遺伝子解析の現状と多様な病因
Current Status of the Genetic Analysis for HCM and the Various Causes
林 丈晴
1
Takeharu Hayashi
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所分子病態分野
1Department of Molecular Pathogenesis, Division of Pathophysiology, Medical Research Institute, Tokyo Medical and Dental University
pp.615-622
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205738
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はじめに
強い心室肥大と拡張障害を主徴とする肥大型心筋症(HCM)は,循環器疾患としては最も遭遇する機会の多い遺伝性疾患である.人種を問わず,約500人に1人に認められる頻度の高い疾患ではあるが,いまだに根本的な治療法はない1).若年者のスポーツ中の心臓突然死の主な原因であり,早期に拡張相に移行し心不全が重症化する例が少なからず存在するため,HCMの早期の診断と個々の症例に対する重症度,予後予測が大切である2).これまで多数の遺伝子変異が同定され,それぞれの臨床データ,予後について,多くの研究報告がなされているが,日本の臨床現場でほとんど変異解析をされていないのが現状である.本稿では,HCMの原因遺伝子解析の現状と多様な病因について記載する.
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