Japanese
English
特集 心臓急死
心筋症
Sudden death in hypertrophic and dilated cardiomyopathies
古賀 義則
1
,
木原 和生
1
,
椿 孝二
1
Yoshinori Koga
1
,
Kazuo Kihara
1
,
Kouji Tsubaki
1
1久留米大学医学部第3内科
1The 3rd Department of Internal Medicine, Kurume University School of Medicine
pp.251-256
発行日 1989年3月15日
Published Date 1989/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205434
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
心筋症は原因不明な心筋疾患と定義され,肥大型,拡張型,拘束型に分類されている。このうち肥大型心筋症(HCM)は心筋の肥厚と拡張期コンプラインス低下を特徴とするものであるが,収縮能は比較的よく保たれている。また心筋病変の進行も緩徐1)で急速に心不全に陥ることは少なく,5年,10年生存率は約90%,80%と報告2〜5)されている。それにもかかわらず本症は必ずしも予後良好とはいえないが,これは死因の過半数を急死が占めるためで2〜6),特に自覚症のない学童,青少年の急死の原因としても重要な疾患と考えられている。したがって急死の予防対策の確立はHCMの治療上最も重要な課題といえよう。
—方拡張型心筋症(DCM)は心室の拡張と収縮不全を特徴とする疾患で,典型的な左心不全症状で発症することが多い。本症の予後は5年生存率約50%と極めて不良で5)難治性心不全で死亡することが多いが,約30〜50%の頻度で急死が発生することが知られている7,8)。本症の急死は必ずしも予期されない急死とは言えないが,その予防はDCM患者の予後を改善する上で重要な点といえる。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.