Japanese
English
特集 心臓急死
心筋梗塞症による急死
Sudden death due to myocardial infarction
平盛 勝彦
1
Katsuhiko Hiramori
1
1国立循環器病センター内科心臓部門
1Cardiac Division, Department of Internal Medicine, National Cardiovascular Center
pp.245-249
発行日 1989年3月15日
Published Date 1989/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205433
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.心筋梗塞症と急死に関する問題点
心筋梗塞症は,そのために急死することが最大の問題である疾患であり,また欧米の教科書では,心臓急死の90%は冠動脈疾患によるとされている。剖検例の検索でも,心臓急死例には冠動脈病変が高率にあり,三分の二が三枝病変例であるとされている。
しかしCobbらは,心室細動から救命された239例のうち39例,16%のみがその後の心電図から急性貫壁性心筋梗塞症と診断されたと報告している1)。また急死例に比べて,発症後しばらくして死亡した例に新鮮な冠動脈内血栓がより高率に検出されることから,急死例の多くが心筋梗塞症ではないのか,または血栓が心筋梗塞症例で二次的に生じるのではないかとの記載もある。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.