今月の主題 循環器疾患の画像診断
各論
特発性心筋症
古賀 義則
1
,
志田 正典
1
,
宮崎 義隆
1
1久留米大学医学部・第3内科
pp.1046-1053
発行日 1987年6月10日
Published Date 1987/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220990
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特発性心筋症(idiopathic cardiomyopathy:ICM)は原因不明の心筋疾患と定義され1),原因または全身疾患との関連が明らかな心筋疾患は特定心筋疾患(二次性心筋疾患)として区別されている.本症は一般にその臨床病型により 1)拡張型心筋症(dilated cardiomyopathy:DCM) 2)肥大型心筋症(hypertrophic cardio-myopathy:HCM) 3)拘束型心筋症(restrictive cardiomyopathy:RCM)の3型に分類されており,DCMでは心室腔の拡大と心筋の収縮不全を,HCMでは心室壁の肥厚と左室拡張期コンプライアンスの低下を,RCMでは心内膜の異常肥厚と心室の拡張不全をそれぞれ特徴としている.このように本症では一次的な病変の場が心筋自体にあり,心臓の形態や機能の異常そのものを特徴としているため,本症の診断に画像診断法の果たす役割はきわめて大きく,近年の断層心エコー図法,冠動脈造影法の進歩は本症の診断や病態の解明に大きな進歩をもたらしたといえる.
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