Japanese
English
特集 心臓急死
高齢者心疾患
Cardiac sudden death in the aged
大川 真一郎
1
Shin-ichiro Ohkawa
1
1東京都老人医療センター循環器科
1Division of Cardiology, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
pp.257-262
発行日 1989年3月15日
Published Date 1989/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205435
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"急死"とは一般的に死因となった疾患の急性発症後24時間以内にみられた死亡をいう1)。これをさらに分け1時間以内の死亡を"瞬間死"または"突然死"とし,発病後1時間以上,24時間以内の死亡を"予期しない死unexpected death"と区別する立場2)や"急死"を発病後6時間以内の死亡に限定する立場3)など報告者により"急死"の定義が一定していないのが現状である。本稿では広義の立場で老年者の心臓急死につき述べる。
老年者の急死例では若・壮年者にみられるポックリ病のように健康な生活を過ごしていた人が急死するようなタイプをみることは少なく,またスポーツ中の急死も少ない。一方"急死"の原因の解明には剖検が不可欠であるが,病院内死亡の剖検でも死因不明例が約15%にみられる3)。杉浦ら2)は老年者の急死を分析し,循環器疾患の急死率が最も高く,次いで呼吸器疾患,中枢神経疾患が主要であるとした。当センターにおいてその後の老年者急死例を検討した岩崎らの成績3)でも急死の原因として心血管死が37.8%と最も多かった。本稿では大動脈疾患を含め老年者心疾患にみられる急死につき自験例を中心に解説する。
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