Japanese
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特集 呼吸調節—最近の話題
鼻CPAPによる睡眠時閉塞型無呼吸症候群の呼吸の変化
Respiratory change of obstructive sleep apnea syndrome during nasal CPAP
平井 正志
1
,
大井 元晴
1
,
陳 和夫
1
,
久野 健志
1
Masashi Hirai
1
,
Motoharu Ohi
1
,
Kazuo Tin
1
,
Kenshi Kuno
1
1京都大学結核胸部疾患研究所臨床肺生理学部
1Department of Clinical Pulmonary Physiology, Chest Disease Research Institute, Kyoto University
pp.509-513
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205056
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はじめに
睡眠時閉塞型無呼吸症候群に対して1)外科的治療としては,気管切開1)や上咽頭再建術2),2)内科的治療としては,酸素投与3,4)や,呼吸刺激剤の投与が行われ5),3)器具を用いる治療として,鼻にContinuous PositiveAirway Pressure (CPAP)をかける方法や6,7)舌保持器を用いる方法が行われている8)。
閉塞型無呼吸に対する,酸素投与は,閉塞により無呼吸時に肺胞に酸素が到達せず,呼吸再開時のみ酸素吸入が行われることになり,間欠的投与となるため,呼吸再開時に換気量の少ないものでは酸素飽和度(SaO2)の改善に限界がある。また,呼吸刺激剤である,Medroxy—progesteroneや,Acetazolamideの効果も,症例により異なり一定しない。そこで,重症例では気管切開や鼻CPAPの適応となる。この内,気管切開が有効であるとの報告は多いが,感染や,外観上に問題があり,患者の協力が得られない場合がある。一方,鼻CPAPは,1982年にSullivanらにより閉塞型無呼吸に対する有効性が報告されているが6),その後多くの同様の報告が続いている。
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