Japanese
English
綜説
PTCA施行前後にみられる冠状動脈病変
Histopathology of Coronary Arteries before and after PTCA (Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)
堀江 俊伸
1
Toshinobu Horie
1
1東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所内科
1Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.811-822
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204906
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Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty(PTCA)はGruntzigら1,2)により開発され,虚血性心疾患の治療法として近年,本邦においても広く行われており,昨年までに6,649例以上に達する3)。
PTCAの適応としては,当初,①狭心症の病歴がなるべく短く,発病1年以内の症例で,内科的治療に抵抗性であること,②解剖学的には1枝障害で,冠状動脈狭窄は近位部にあり,限局性,求心性で石灰化がないこと,③バイパス手術の適応例とされていた1,2,4〜7)。しかし,カテーテルシステムの改良,技術の向上,合併症の減少などにより,これまで比較的禁忌と考えられていた冠攣縮の関与する狭心症8,9),分岐部狭窄10),石灰化例7)にも広くPTCAが施行されており,さらにはバイパスグラフト閉塞11〜13),完全閉塞血管14,15),同一血管に複数の狭窄部をもつ1枝病変や狭窄が複数の血管にある多枝病変16),不安定狭心症7,17〜19),急性心筋梗塞における血栓融解療法(PTCR)後のPTCA20,21),そしてまた心筋梗塞急性期に最初からPTCAを施行する22,23)など適応基準は大幅に拡大されつつある。
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