冠状動脈造影所見と組織像の対比—とくに心筋梗塞後の冠状動脈血栓の経時的変化について—

Comparative study of coronary angiogram and histopathological examination of coronary arteries : With special reference to the changes of coronary thrombi after an attack of myocardial infarction

　冠状動脈造影法は虚血性心疾患の診断に非常に有用である。ことにAortocoronary bypass手術の発達にともない，冠状動脈造影上の狭窄部位がどのような組織像を示しているかを知ることは重要である。これまでにも冠状動脈造影所見と組織像を対比検討した研究が報告されているが^1〜5），必ずしも十分だとはいえない。

　そこで入院中に冠状動脈造影を行なった症例のうち，死後剖検しえた症例について，連続切片を用いて冠状動脈を検索し，冠状動脈造影所見と組織像の対比を行なった。