Japanese
English
Bedside Teaching
川崎病の冠状動脈病変について
Coronary Arterial Change in Kawasaki Disease
草川 三治
1
,
浅井 利夫
1
Sanji Kusakawa
1
,
Toshio Asai
1
1東京女子医科大学第2病院小児科
1Dept. of Pediatrics, The Second Hospital of Tokyo Women's Medicai College
pp.157-164
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203319
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川崎病は1967年,川崎1)により報告された小児の新しい疾患であり,合併する心臓障害が注目されている。川崎が本疾患を報告した当初はこの心臓障害は全く注目されておらず,その後の研究により明らかになったものである。心臓障害を一口でいうと,急性期には汎心臓炎が起り,心筋炎,心膜炎は4〜5週間程度で一応急性期は治まるから自然治癒するが,一見治癒したようにみえた例でも10〜20%程度の頻度で冠状動脈瘤や心筋障害を後遺症として残すという恐しいものである。今日では心臓障害に関する研究も進み,次々に新しい知見が出ており,川崎病は小児の新しい後天性心疾患の1つになっている。しかし,原因はこれまでにも諸説が出たがまだ不明である。
本文では川崎病の心臓障害例の典型的な1例を示し,心臓障害の歴史,冠状動脈病変を中心に病理と臨床について解説する。
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