Japanese
English
特集 肺血管壁透過性をめぐって
肺血管透過性の定量的評価法について
Quantitative assessment of pulmonary microvascular permeability
石橋 正義
1
,
吉田 稔
1
,
広瀬 隆士
2
Masayoshi Ishibashi
1
,
Minoru Yoshida
1
,
Takahito Hirose
2
1福岡大学医学部内科
2国療南福岡病院内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Fukuoka University
2Department of Internal Medicine, The National Minami-Fukuoka Chest Hospital
pp.609-614
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204665
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肺水腫とは肺血管外に多量の水分が貯留した病的状態である。肺末梢血管から漏出した水分は肺胞中隔・肺血管及び気管支周囲の間質に貯留した後,リンパ管により回収されるが,その量がリンパ管の搬出能力を超えるようになると,overflow systemである肺胞内に水分が溢れ出ることになる(図1)1)。
この際肺胞内に溢れ出た水腫液を採集しその蛋白濃度を測定すると,肺末梢血管内圧の上昇による血行力学的肺水腫と透過性亢進による肺水腫とを,明らかに区別できることが知られている2)。前者では水腫液の蛋白濃度が3.6g/dlであるのに対し,後者では4.6g/dlと高値を示し,血漿蛋白濃度との比が平均0.90に及んでいる(表1)3〜5)。このことは肺末梢血管壁の正常構築が障害され透過性亢進が生じると,水分同様に蛋白の漏出を来すようになることを示している。
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