Japanese
English
特集 肺血管壁透過性をめぐって
核磁気共鳴法(NMR)による肺損傷時,肺血管透過性の検討
Detection of oxygen lung injury by NMR method
塩谷 寿美恵
1
,
灰田 宗孝
1
,
福崎 稔
3
,
辻 千鶴子
2
,
太田 保世
1
,
山林 一
1
Sumie Shioya
1
,
Munetaka Haida
1
,
Minoru Fukuzaki
3
,
Chizuko Tsuji
2
,
Yasuyo Ohta
1
,
Hajime Yamabayashi
1
1東海大学医学部内科
2東海大学第2生理
3珠光会附属研究所NMR室
1Department of Internal Medicine, Tokai Univ. School of Medicine
2Department of Physiology Medicine, Tokai Univ. School of Medicine
3Department of NMR, Jukokai Laboratory
pp.603-607
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204664
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従来は物理,化学の分野において主に用いられていた核磁気共鳴法(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)が医学の世界で急速に脚光をあびている。NMRは今までにない全く新しい生体からの情報を与えてくれる手法であり,NMR-CTの臨床応用のみでなく,研究の分野においても,病態を研究する手段としての発展が期待される。
NMRの感度は,天然に存在する物質の中では水素核1Hが最も良いが,このことは,生物の組織の約80%を占める水:H2Oの検出に幸いしている。NMRでは,肺損傷時の肺血管透過性異常に伴なう組織の水動態をどのように捉えることができるであろうか。我々はラットを用い,酸素障害肺の組織緩和時間を測定し,その意義につき検討を行なった。NMR緩和時間が,組織の水のどのような変化に対応するのかに関しては,未だ完全に明確にはされていないため,その解釈については今後大いに議論のなされるところであろう。
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