Japanese
English
装置と方法
断層心エコー図による左室壁運動評価法の検討—心筋梗塞部における壁動態の分析
Evaluation of left ventricunar wall motion and systolic thickening by two-dimensional echocardiography
細川 美千代
1
,
小川 聡
1
,
藤井 効
1
,
戸山 雅子
1
,
吉野 秀朗
1
,
半田 俊之介
1
,
中村 芳郎
1
Michiyo Hosokawa
1
,
Satoshi Ogawa
1
,
Isao Fujii
1
,
Masako Toyama
1
,
Hideaki Yoshino
1
,
Shunnosuke Handa
1
,
Yoshiro Nakamura
1
1慶応大学医学部呼吸循環内科
1Cardiopulmonary Division, Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.797-803
発行日 1984年8月15日
Published Date 1984/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204492
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近年,冠動脈疾患における虚血心筋の部位診断に,断層心エコー図法が用いられる様になってきた。多くの基礎的研究で明らかにされている様に,局所心室壁の収縮異常は虚血の極めて鋭敏な指標である1〜4)。断層心エコー図法では,解剖学的な同一点を心周期の各時点で確定することが不可能であるため,厳密には,ある心室筋segment lengthの短縮度を得ることはできない。現状では,左室壁心内膜エコーの収縮期における心内方への偏位,あるいは左室壁厚の収縮期における増加の有無,程度をみることにより,壁収縮異常の診断がなされている。このため,これらの指標により無収縮,低収縮と判定された区画が真に虚血を意味しているのか,あるいはfalse positiveであるのか,判定は困難である。そこで本研究では,これらの指標を用いた断層心エコー図法による左室壁収縮異常診断方法の精度を知ることを目的に,陳旧性心筋梗塞症例を対象として,各指標による梗塞巣の検出率を検討した。なお,梗塞巣区画の同定には,病理学的貫壁性心筋梗塞所見に対応する指標として,エコー上,正常部壁厚の70%以下の壁非薄化5)を用いた。これを示す区画は,瘢痕組織として本来能動的収縮を欠如するものと仮定した。
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