Japanese
English
特集 Interventional Angiography
食道静脈瘤
Esophageal varices
打田 日出夫
1
,
吉岡 哲也
1
,
大石 元
1
,
吉村 均
2
,
仲川 房幸
1
,
岩田 和朗
2
Hideo Uchida
1
,
Tetsuya Yoshida
1
,
Hajime Ohishi
1
,
Hitoshi Yoshimura
2
,
Fusayuki Nakagawa
1
,
Kazuro Iwata
2
1奈良県立医科大学放射線医学教室
2奈良県立医科大学腫瘍放射線医学教室
1Dept. of Radiology, Nara Medical University
2Dept. of Radiation Oncology, Nara Medical University
pp.695-704
発行日 1984年7月15日
Published Date 1984/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204477
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Interventional angiographyは,食道静脈瘤の治療法の1つとして重要な位置を占めており,特に食道静脈瘤破裂による緊急吐下血症例の止血法として注目されている。経カテーテル的に食道静脈瘤破裂を治療する方法は,上腸間膜動脈へのピトレッシン持続動注法と,経皮経肝的に食道静脈瘤を塞栓するpercutaneous transhepat—ic obliteration (PTO)に大別することができるが,後者の方が速効的で効果が確実であることから一般的に普及しているので,本稿では経皮経肝食道静脈瘤塞栓術(PTO)につき述べる。
PTOは1974年Lunderquistら1〜3)により開発され,本邦には1977年に導入されて4),その後,PTOの有用性に関する多くの報告がある5〜10)。PTOは,経皮経肝門脈造影(percutaneous transhepatic portography:PTP)に経カテーテル塞栓術を応用したものであり,PTOの目的を達成するには,まず,PTPに成功して食道静脈瘤の種類と程度,その他の側副血行路の発達状態,門脈系と大循環系との短絡(porto-systemic shunt)や特殊静脈瘤の有無などの門脈系の血行動態を正確に把握しておくことが大切である10〜17)。従って,PTPの基本的な手技,門脈系と大循環系との短絡を呈した側副血行路の診断について述べた後に,PTOの適応,塞栓方法ならびに効果判定に関して解説する。
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