Japanese
English
講座
放射線診断技術の治療への応用(2)—経皮的血管カテーテルによる尿路出血の止血法
Applications of Interventional Radiology to Urology (2):Control of Hemorrhage by Transcatheter Embolization
打田 日出夫
1
,
大石 元
1
,
吉岡 哲也
1
,
尾辻 秀章
1
,
松尾 尚樹
1
,
岡島 英五郎
2
,
中村 仁信
3
,
園田 孝夫
4
Hideo Uchida
1
1奈良県立医科大学放射線科学教室
2奈良県立医科大学泌尿器科学教室
3大阪大学微研病院放射線科
4大阪大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Radiology, Nara Medical University
pp.673-679
発行日 1984年8月20日
Published Date 1984/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203861
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
近年,血管造影の手技を応用した経皮的血管カテーテルによる治療法の発達により,これまで手術を余儀なくされていた尿路出血の多くを,手術することなく保存的に止血することが可能になつた。若年者に多い腎動瀞脈奇形,医原性の腎動静脈瘻,外傷,腫瘍などによる大量尿路出血を開腹せずに治療できるようになつたことは画期的なことである。尿路出血に対する経カテーテル的動脈塞栓術は,1973年Rizkら1)とBoosteinら2)による腎生検や腎外傷後の腎動静脈瘻の治療,また,同年Ringら3)による骨盤外傷性出血の止血への応用以来,多数の報告があり4〜12),筆者らも腎動静脈奇形などに対する本法の有用性について報告してきた13〜20)。経皮的血管カテーテルによる尿路出血の止血法の大多数は,動脈から塞栓物質を注入する経カテーテル的動脈塞栓術(Transcatheterarterial embolization:以下TAEと略す)であるので,本稿では尿路出血に対するTAEの手技,適応ならびに治療効果について概説する。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.