特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
4.食道手術
食道静脈瘤手術
芦田 寛
1
,
西脇 学
1
,
西岡 昭彦
1
,
宇都宮 譲二
1
1兵庫医科大学第2外科
pp.78-83
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902452
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近年,食道静脈瘤治療はEISやEVLの普及により低侵襲な内視鏡治療が主流となったが,IPHやEHOや肝機能の良好な肝硬変症例に限っては,手術療法が効果的な治療法であり,食道離断術やHassab手術などの直達手術と遠位脾腎静脈吻合術などの選択的shunt手術が行われている.出血既往(+)や,F2以上でCb,RWM(++)やCRS(++)以上,HS(+)などのrisky varicesでは,Child分類A,Bに加えて,ICG R15(≦40%),ICG K(≧0.05),プロトロンビン時間(≧60%)を満たす場合,75gOGTT,年齢,肝癌合併の有無も考慮して手術適応を決定する.術前には貧血,低アルブミン血症,電解質異常の補正や腹水,糖尿病のコントロール,呼吸訓練などの厳重な術前管理を行う必要がある.
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